こつこつ (5) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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少し沈黙があった。ドクが背中をカウンターから離して身を乗り出してこう言った。 「リレーってのはどうだろう」 「リレー?」
さっきまで難しい顔をしていたタカさんも、身を乗り出した。
店主は慎重だ。
店主も納得。トヨさんにも確認をとった。
そう言って、トヨさんは頭の上で手を動かした。手首がしなやかに動いて、それでいてメリハリがついている。これは、本当に上手そうだ。 ボクは、トヨさんを見ながら去年の舞台を思い出していた。結婚披露パーティーのカチャーシー。あの時も、おばあさんの踊りが、格好良かったなあ。トヨさんの踊りを見ながらみんなが笑って、トヨさんも笑った。 「じゃあ、『唐船どーいー』の順番は、まず」 店主は指を差しながら番号を言った。一番タカさん、二番店主。ボクが外されたらどうしようとドキドキしていた。三番ドク、四番ナンちゃん、五番アキちゃん、そして、ボクも六番目に入っていた。やった。ボクも歌える。踊ってもらえる。よーし、頑張るぞ。
ドクが提案した。ボクも賛成だ。よし、絶対成功させるぞ。 「わいわい」へ→ |