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こつこつ (2)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
こつこつ
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
わいわい
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 「演奏時間は、全部で一時間くらいってことでいいよね」
そうだよね。あまり長いと、お年寄りには辛いと思うんだよね」

 ライブって、だいたい二時間前後が普通だと思うけれど、タカさんの言うように、あまり長いのはお年寄りには辛いだろうな。かといって、あまりにも短すぎるのもつまらないだろうし。ってことで、一時間というのは適当な長さなのだろう。店主はさらに話を進めた。

 「一曲目は何がいいかな」

 ドクが口を開こうとした。店主が遮るように言った。

 「かぎやで風以外で」

 タカさんが口を開いた。

この前も言ったんだけど、やっぱり、島唄がいいんじゃないかな」
 「そうですねー。全員で演奏できるし。ドクもね」

 アキちゃんに見つめられて、ドクがしぶしぶ言った。

 「気は進まないが、どうしてもと言うのならね」

 そうか。『島唄』なら全員演奏できるんだね。え?ちょっと、ボクは演奏したことないですけど。

そうだよね。まず、最初の曲は全員で演奏っていうのがいいと思うんだよね」

 だから、できないんだってば。

 「そうですよねー。顔見せって感じですねー」

 ボクできません。とは、言いにくい雰囲気だ。

 「あ!」

 店主がオクターブ高い声を出した。ボクの様子に気づいてくれたかな。

 「トヨさん。できませんよね」
 「そうかー。トヨおばあは無理ですねー」

 ボクには気づいてくれなかったけれど、とにかく『島唄』を回避できれば・・・

 「うちは、どうせ何も弾けないのに。気にしないでいいよ」

 気にしてちょうだいよ。『島唄』になっちゃうよー。

 「じゃあ、『花』は?」

 ありがとう店主!それ、数少ないレパートリーの一つです!

 「でも、トヨさんが弾けないってことに、変わりないんだよね」
 「そっかー」

 まずいなあ・・・

いや、『花』なら、四つ竹を入れるっていうのもいいと思うんだ」

 よっしゃ!

 「四つ竹ですかー。いいですよねー、あの音」
 「だったら、『島唄』でもいいんじゃないのか?」

 ドク!余計なこと言わないでよ。

でも、『島唄』は少しテンポが速いでしょ。四つ竹を入れるなら、『島唄』より『花』が合うと思うんだ」
 「なるほどー。さすが店主。考えてますねー」

 そこへ、トヨさんが声を出した。

 「四つ竹?手に持って踊るの?」
いえ、踊るんじゃなくて、歌いながら鳴らしてもらうんです。お願いします」
 「はいはい。何でもやるよー」
 「じゃあ、一曲目は『花』ということにして、次は?」


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