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ぽつぽつ (1)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
(1)
(2)
(3)
とんとん
こつこつ
わいわい
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 宮古島は沖縄県の一つの島。いや、一つの地域と言う方がよいそうだ。沖縄本島は、沖縄県の北の方に位置する。そこから南西に、台湾の手前まで沖縄県が続く。宮古島は、その沖縄県の真ん中当たりになるんだって。トヨさんはそこの出身で、歌いたいという『とうがにあやぐ』は、宮古民謡の中でも最も有名な曲といってもいいそうだ。

 トヨさんとの、集会所での二度目の練習。その前に、ボクは『とうがにあやぐ』について調べておいた。CDも何度か聞いておいた。
 今熱中しているのは『唐船どーいー』なんだけれど、『とうがにあやぐ』も、とても気になっている。CDは男声で、トヨさんの歌とは少し違っているんだけれど、どちらも島を感じる。そう、『島』なんだ。沖縄県じゃなくて、一つの島。同じような印象を、タカさんの八重山民謡からも感じた。
 ボクの知らない曲がたくさんあって、一曲覚えると知らない曲が一曲減るはずなんだけれど、知れば知るほど奧が深くなっていく。三線って、そういうものなのかな。

 そんなことを考えながら、トヨさんを迎えに行った。家の前でクラクションを鳴らそうとしたら、トヨさんが先に出てきた。エンジン音でわかったんだ。後部座席に三線を乗せて、トヨさんは助手席に。集会所までの二十分間、ボクは宮古島の話を聞く。
 トヨさんは、宮古島で家で馬を飼っていたらしい。

 「トヨさん、馬に乗れるんですか?」
ハハハ。乗れるよー。こんなに小さいときから、馬には乗りよったよー。馬の背中に届かないから、石垣の上に登って、そこから馬の背中に飛び移った」

 すごい。このトヨさんが馬に乗って海岸を走る。なんだかかっこいいぞ。

いいなー。海へ行ったり、野原を駆け回ったりして遊んだんですね」
遊ばんよー。畑に行くときに馬に乗るわけ。荷物の多いときは、馬に荷物を載せて引っ張りよったよ」
 「じゃあ、畑へ行くためだけに馬を?」
 「平良市へ行く時にも乗りよったさ」
 「平良市?」
宮古の平良市よ。市場もある。何もかもある。だから、買い物には、時々馬に乗って行きよった」

 馬の話を聞いている間に、集会所に着いてしまった。もっと聞きたかったけれど、続きは帰りにしよう。


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