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こつこつ (4)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
こつこつ
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
わいわい
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 「で、誰から歌いますー?やっぱり、店主からですかー?」
最初は、舞台に全員並んで、余計な挨拶抜きで『花』から始めるんだよ。それが終わってから店主が挨拶。メンバーの紹介もしてもらう。で、みんなは舞台から出て、店主だけが残って沖縄民謡。ってのがいいと思うんだよね」
 「さすがタカさん。考えてますねー」
 「じゃあ、そういうことで。次は?」
 「歌う順番は曲目が決まってからの方がよくないか?」
そうだよね。曲の並べ方で、ライブの印象はずいぶんかわるんだよね」
なるほど。じゃあ、『花』と『十九の春』、最後のカチャーシー以外に、みんなそれぞれが一曲ずつってことで、今日の打ち合わせは終了」
 「はーい。ってい言いたいんだけど、一人じゃ不安ですー」
 「二人組っていうのも、おもしろいと思うんだよね」

 と言いながら、タカさんがボクの方を向いた。アキちゃんも見てる。

 「ボクですか?あの、レパートリーが少ないし」
 「大丈夫ですよー。一緒に練習しましょう。二人で二曲!」

 ちょっとうれしいけど、すごく不安だ。

では、他のみんなは一曲ずつってことにしよう。トヨさんの『とうがにあやぐ』は、先生も一緒に演奏ね」

 店主はそう言いながら、ボクを見てニヤリと笑った。

これでいいかな。次回までに自分の歌を決めておくってことで」

 みんなが頷いた。でも、タカさんが待ったを掛けた。

カチャーシーは、誰が何を歌うか決めておいた方がいいよね」

 ドクが、

そりゃ、店主とタカさんで決まりだろ。一番安心して聞けるし。曲目は二人で決めてくれればいい」

 みんな納得すると思ったら、アキちゃんがおねだりするような声を出した。

 「ドクも歌ってよ」
オレは歌ってもいいけど。うん。だったら、全員でやっちゃおうよ」
 「全員!ってことは、いいんですかー。私も歌って?」
 「うん。それ、いいと思うんだよね」

 ああ、いいなあ。三線を弾いて、人に踊ってもらえるんだ。ボクも入れてくれるかな。
 みんなが盛り上がっているところへ、店主がストップをかけた。

 「いいけど、全員が歌ってしまうと、踊らせる人がいない」

 やっぱりだめ?

 「そうかー。踊る人も必要ってことですよねー」

 店主が説明をした。

沖縄ファンばかりが集まるライブなら、みんながカチャーシーを知っているし踊ってくれるけれど、南星園はそういう人ばかりじゃない。ほとんどいないと思った方がいい。歌が始まってもだれも踊らないんじゃあ、悲しいからね」
 「トヨおばあがいますよー」
そうだよね。トヨさんには踊り手になってもらう。としても、トヨさん一人で、お客さん全員を踊らせるってのは、無理があると思うんだよね」

 ライブ経験のあるタカさんは、カチャーシーがどのように盛り上がるかと言うことも想像しているんだ。カチャーシーを知らない人は、当然カチャーシーを踊ることはできない。だから、お客さんの前で踊ってみせる人が必要だ。それを、トヨさん一人に押しつけるのは無理があるということなんだ。


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