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とんとん (5)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
こつこつ
わいわい
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
アハハハ、先生は宮古の人じゃないのに。宮古は言葉が違うからね」

 やっぱり。

 「もう一度、歌ってくれますか」

 違う。違っているのはわかる。でも、できない。よし、家に帰ったら、発音にも注意しながらCDを聞いてみよう。
 
 帰りの車の中。話題は発表会だった。ボクとトヨさんの間では、南星園の訪問はいつのまにか「発表会」ということになっていた。

 「先生は、何を歌うの?」
 「さあ、まだ何を歌うかは決まっていなくて」
 「え?決まっていないの?」
はい。決まっているのは、トヨさんが歌う『とうがにあやぐ』だけですよ」
あがにゃー。アハハ。うちの歌だけが決まっているんだねえ」
他のみなさんは、歌える歌がいっぱいあるでしょうから心配ないですよ」
 「そうだねえ。うちだけがへたくそだから」
 「そんなことないですよ。ずいぶん上達しています」

 と、ボクが言う前にトヨさんはアハハハと大きな声で笑った。慰める必要はなかったようだ。本当に心配なのは、ボクが何を歌うかなのかも。

あの、トヨさん。さっきの『あがにゃ』って、どういう意味ですか?」
 「あがにゃー。アハハハ」

 一段と大きな声で笑っていた。ボクもハンドルを持ったまま笑っていた。意味はわからないけれど。

 家に戻って『とうがにあやぐ』のCDを聞いてみる。あの発音、「る」にも聞こえる。いったいどんな口の形なんだろう。あ、しまった。トヨさんの口を見ておくべきだった。今度会ったときには、トヨさんの口元を正面から見て、発音を聞くことにしよう。
 歌詞を見ながら、最後まで聞いてみた。あの「す」に○のついた文字は、って、この書き方はめんどうだから「ズ」と書いておくけれど、この「ズ」は、三番にも二度出てくる。「ズ」の他に「き」に○ってのもある。これまた「ギ」としておくけれど、三番に二度出てくるんだ。やってみたけれど、できているのかどうかがわからない。宮古の歌は、難しい。


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