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とんとん (3)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
こつこつ
わいわい
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 土曜日の集会所。ボクの前で、トヨさんは困った顔をしていた。

あの、すみませんね。なんだかみんな、盛り上がっちゃって」

 黙ったままだ。

 「どうです?みんなでいっしょに」
 「みんなで歌ってくれるのはいいんだけれど」

 トヨさんは、自分が歌えるかどうか自信がないようだ。S.W.L.で出会ってからほぼ二週間。といっても、土曜日の練習はこれが三度目。練習量はわずかなんだ。なのに、突然舞台で歌おうという話を持ってきたわけだから、戸惑うのも無理はない。

みんなは、人前で歌えることがうれしいんですよ。なんだか、トヨさんを利用したみたいで申し訳ないんですけれど。でも、きっと楽しいと思うんです。楽しんでもらえると思うんです」
 「うん」

 そう言って、また黙ってしまった。

まだ、『とうがにあやぐ』は完成してませんけど、がんばって練習しましょうよ。みんなで行けば、お互いに助け合えるし。ボクは、トヨさんと一緒に三線を弾きますよ。だから、がんばってみましょうよ」
 「そうだねえ。やってみようかね」
 「はい。いっしょに。お願いします」

 どうにか説得して、トヨさんの予定を聞いた。トヨさんの答えは「いつでも暇なのに」だった。

 練習は、先週の復習をしてから次に進むことにする。歌持は、ずいぶんなめらかに演奏できるようになっている。そして「うぷゆてぃら」までを歌いながら。うん。これもだいたいできている。

 「すごいですよ。家でもがんばってるんですね」
そうさー。先生に迷惑かけてはいけないからね。それに、発表会もあるでしょ」

 南星園訪問の話を出したときにはずいぶん困った顔だったけれど、覚悟ができたようだ。
 トヨさんは、歌を歌える。まあ、多少はCDと違うところがあるようだけれど、それは気にしないことにする。その歌に三線をくっつけるというのが先週思いついた方法だ。これから先も、この方法で押していこう。


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