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わいわい (3)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
こつこつ
わいわい
(1)
(2)
(3)
(4)
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 「聞こえます?」
あ、聞こえます。はい。あ・・・ああ、聞いたことありますよ、これ」
 「でしょー。知らないはずないと思っていたんですよー」
 「工工四ありますかね?」

 アキちゃんは、イヤホンを外し、小さな書棚から工工四を三冊持ってきた。ボクは座ったまま聞いていた。二冊目の工工四に目的の『国頭ジントーヨー』があったらしい。開いて、ボクの方に向けてくれた。

 「案外短いんですね」

 イヤホンを外し、三線を用意した。アキちゃんも三線を構えた。調弦をアキちゃんの三線に合わせる。ずいぶん低い調弦だ。

 「じゃ、せーの」
ちょっとちょっと、待ってくださいよ。初めて見るんですから。少し練習してから」
 「大丈夫ですよー。ね、やってみましょうよー」

 とにかく、歌持を弾いてみた。うん。難しくはない。リズムは弾んでいるけれど、ゆっくりだし。歌持は大丈夫だ。と思っていると、アキちゃんが歌い出した。

 「あきとなーまうんじょー、がんじゅーしちうーたみよー」

 そこまで歌うと、ボクの顔を見て微笑んだ。ボクも微笑み返した。アキちゃんはまだ微笑んでいるけれど、目に怒りが・・・アキちゃんの三線が止まった。

 「あの。次、男ですけど」

 そうか。男女でかけ合いなんだ。

 「これ、貸してくれますか?」

 そう言って、ボクはプレーヤーと工工四を借りて、練習を始めた。アキちゃんは、ボクとの練習を諦めて、別の工工四を開いた。『てぃんさぐぬ花』の練習を始めるようだ。
 S.W.L.の店内は、いろんな歌が暴れ回っているような状態だったはずだ。でも、それぞれが集中しているので、他の音が気にならない。ボクもそうだった。イヤホンを耳に当てて聞いて、外して歌って、そんな風に、一時間くらい練習しただろうか。なんとか、一番は歌えそうだと思ったころに、店主がみんなを呼び集めた。

 「プログラムを確認しよう」

 この前の集まりでは、オープニングの『花』、みんなで歌える『十九の春』そして、最後の『唐船どーいー』だけで、他の曲はまだ決まっていなかった。今日は歌いたい曲を確認して、プログラムを考える。
 店主は、『なーくにー』。『なーくにー』は、『山原てぃーまーとー』という曲もセットになっているそうだ。「二曲分になって、ごめんね」なんて言っていたけれど、みんな納得していた。
 ドクは『かぎやで風』。「本当は最初に歌いたいんだけどね」と笑っていた。ナンちゃんに笛を吹いてもらいたいと言ったら、ナンちゃんは、だまって頷いていた。
 ボクとアキちゃんは、『てぃんさぐぬ花』と『国頭ジントーヨー』だ。ドクが「渋いねえ」と言ったけれど、渋いのかな。
 意外だったのは、タカさんとナンちゃん。二人も組んで歌うそうだ。で、話し合った結果、こうなった。

1,『花』(全員)
2,『なーくにー』(店主)
3,『てぃんさぐぬ花』『国頭ジントーヨー』(アキちゃんとボク)
4,『かぎやで風』(ドク)
5,『でんさ節』『とぅばらーま』(タカさん、ナンちゃん)
6,『とうがにあやぐ』(トヨさん)
7,『十九の春』(みんなで歌おう)
8,『唐船どーいー』(みんなで踊ろう)

 この構成は、「全員」→「一人」→「二人」→「一人」→「二人」→「一人」と、人数を変化させるようにな っている。その後、みんなで歌って気分を高めて、踊ってしまおうというわけだ。

 「じゃあ、来週はこの順序で歌ってみよう」

 という店主の言葉で、この日の練習は終了になった。


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