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わいわい (2)
ふらふら
いそいそ
かりかり
おたおた
どきどき
きらきら
ぽつぽつ
とんとん
こつこつ
わいわい
(1)
(2)
(3)
(4)
いらいら
ずきずき
ひしひし
わくわく
ゆるゆる
 まずい。何も考えていない。とにかく、演奏できる曲が少ないんだから、考えたってしかたない。苦し紛れに言ってみた。

 「あの、『てぃんさぐぬ花』では」
あ、いいですねー。じゃあ、一番から四番まで交互に歌うってことで。一曲は決まり」

 あら、簡単に決まっちゃったよ。ラッキー。となると、もう一曲はアキちゃんの意見を聞かないといけないよなあ。知らない曲だったらどうしよう。って、知っている曲になる確率なんて、0に近い。

 「二人で歌うので、『国頭ジントーヨー』はどうかと思って」

 何ですかそれ?とは言えなかった。

 「あ、ああ、はい。いいと思います。じゃあ、それで」
やったー。私、レパートリーが少ないんで、難しい歌とか言われたらどうしようかと思ってましたー」

 今、ボクがどうしようかと思っています。

あの、アキちゃん。相談なんですけど、CD持っていたら貸してもらないかな」
 「え?」

 そう言って、アキちゃんの目が少し大きくなった。

 「あの、実は、知らない曲なんで・・・」
 「知らないんですか?大丈夫ですかー」

 下を向いたボクの顔を、心配そうな上目遣いで覗き込む。無理矢理笑顔を作って、こう答えた。

他に得意な歌があるわけじゃないし。その曲でお願いします。必ず覚えますから」
 「さすがですねー。じゃあ、これ聞いてください」

 アキちゃんが胸にかけたペンダントトップを外してテーブルに置いた。と思ったら、それはペンダントではなくて、プレーヤーだった。そう、デジタルオーディオプレーヤーというやつだ。ボクもほしいけれど、まだ持っていない。

 「こっちを耳に」

 そう言って、イヤホンの片方をボクに差し出した。もう片方はアキちゃんが耳に当てた。コードの長さが短いので、ボクとアキちゃんはテーブルの上でお互いの顔を近づけるようにして聞いている。妙な格好だ。アキちゃんは、薄いピンクのマニキュアを塗った親指で、小さなボタンを何度か押した。


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