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第一章 (2)
プロローグ
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エピローグ
 「準備できました」
 「早く三線を出して」
 「へ?ボクが?」
 「そう」
 「持ってませんけど」
 「なんでよ」
なんでって、おじいさんが三線をくれるんじゃないんですか」
あ、やだなあ。そんな約束してないよ。三線を教えるって言ったんだよ」

 なってこったい。たしかに三線をプレゼントするなんて一言も言っていなかったっけ。おじいさん、足を組んで体を傾けて、やってられないよって顔してるよ。着物のすそから、赤いふんどしが見えているし。

 「でも、三線なんて持ってないですから」
 「明日は休みか?」
 「はい。休みですけど、あの」
よし、では明日の夜までに買っておくように。人前で二三曲演奏できるように、ちゃーんと教えてあげるからね。じゃ、また明日」
 「また明日?」

 また消えた。どうなっちゃうんでしょう。

 はあ、今日も早く寝よう。


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