第二章 (4) | ||||||||||||
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女弦ってのは、一番細い弦なんだって。
女弦は4C、中弦は3F、男弦は3C。この数字とアルファベットを覚えておけばいいようだ。 確かに、チューナーという道具は便利だ。マイクを繋いでボタンを押すだけ。操作のややこしい部分てのは、まったくないと言っていい。表示される数字やアルファベットの意味さえ知っていれば、繋いでパワーボタンを押すだけのことだ。それよりも難しいのは、三線の操作だと思った。
カラクイっていうのは、糸巻きのこと。この操作は思った以上に難しい。思ったところで止まってくれないので、力を入れる。力を入れると、今度は微妙な操作がしにくくなる。
これもまた難しい。音を鳴らしてチューナーの表示を見て、それから糸巻きを回し、また音を鳴らしてチューナーで確認していたのでは、いつまでたっても合わせられない。右手で音を鳴らしながらチューナーの表示を確認しつつ左手で糸巻きを回す。同時にやらなきゃならないわけだ。そのためには、三線をきちんと持つことが大切なんだとわかった。何事も、基本が大切ってわけだね。 女弦で苦労して、中弦で理解して、男弦は数秒でグリーンのランプ。慣れてきたよ。 「うん。なかなかうまくなった」 自分でも、素質があるかもなんて思った。 「ま、三線がよかったんじゃろな」 なんだそれ。 第三章へ→ |