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 女弦ってのは、一番細い弦なんだって。

いいか、3本の弦のどれから合わせてもかまわん。かまわんが、女弦、中弦、男弦の順番にしておけ」

 女弦は4C、中弦は3F、男弦は3C。この数字とアルファベットを覚えておけばいいようだ。
 確かに、チューナーという道具は便利だ。マイクを繋いでボタンを押すだけ。操作のややこしい部分てのは、まったくないと言っていい。表示される数字やアルファベットの意味さえ知っていれば、繋いでパワーボタンを押すだけのことだ。それよりも難しいのは、三線の操作だと思った。

駄目じゃ!カラクイを回すときには、親指をここにかける」

 カラクイっていうのは、糸巻きのこと。この操作は思った以上に難しい。思ったところで止まってくれないので、力を入れる。力を入れると、今度は微妙な操作がしにくくなる。

駄目じゃ!右手でテンとやりながら、左手で音を合わせていく」

 これもまた難しい。音を鳴らしてチューナーの表示を見て、それから糸巻きを回し、また音を鳴らしてチューナーで確認していたのでは、いつまでたっても合わせられない。右手で音を鳴らしながらチューナーの表示を確認しつつ左手で糸巻きを回す。同時にやらなきゃならないわけだ。そのためには、三線をきちんと持つことが大切なんだとわかった。何事も、基本が大切ってわけだね。

 女弦で苦労して、中弦で理解して、男弦は数秒でグリーンのランプ。慣れてきたよ。

 「うん。なかなかうまくなった」

 自分でも、素質があるかもなんて思った。

 「ま、三線がよかったんじゃろな」

 なんだそれ。


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