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狩俣ぬイサミガ(宮古)その4   
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 もう一度、工工四に書かれた歌詞を見ます。









狩俣のイサミガ
とんがらや家(や)居(う)んうむ
家(や)居(う)らばなうそで
此(く)り程(ぷど)のそウつん
海(いん)うりだ家居んうむ
ぞやぞ今日(きゆ)や海下(う)り
いざ海むが下りでが
下りならズ海(いんう)だら
ぱがてらや取(と)り持(む)ち
んうなぐずのみやらび アガソミヤヨ
なしぱだや 坐(びう)しうんむ
坐(びう)しうらば 如何(いか)そで
くりぷどの そびやりん
浜(ぱま)ふまだ 坐(びう)しうんむヨ
ぞやぞ今日や 浜踏ま
いざ浜が ふまでが
ふんならズ 浜だら
いそでらやさぎ持ち

 次に、CDを聞いて、工工四に書き込んだ歌詞を見ます。









狩俣ぬイサ(m)ミガ
とぅんがらや家(や)居(う)んうむ
家(や)居(う)らばなうそ(す)でぃ
此(く)り程(ぷど)のそつぃん
海(いん)りだ家居んうむ
ぞ(ず)やぞ(ず)今日(きゅ)や海むり
いざ海むが下りでが
下りならズ海(いんう)だら
ぱがてぃらや取(と)り持(む)ち
んうなぐずぃぬみやらび アガソ(す)ミヤヨ
なしぱ(P)だや 坐(びう)しうんむ
坐(びう)しうらば 如何(いきゃ)すで
くりぷどの そ(す)びゃりん
浜(ぱ(P)ま)ふまだ 坐(びう)しうんむ
ぞやぞ今日や 浜踏ま
いざ浜が ふまでが
ふんならズ 浜だら
いそでぃらやさぎ持ち

 文字と言葉とは、必ずしも一致しているとは限らないものです。特に、方言を文字にする場合はいろいろと難しいものです。

イサ(m)ミガ 「ミ」の音の「m」がしっかり聞こえましたので、書いておきました。
んうなぐずぃ 「ず」でなく「ずぃ」のようです。
アガソ(す)ミヤヨ 「ソ」よりも「す」に近いと思いました。
とぅんがらや 「とぅ」や「てぃ」が、「と」や「て」と書かれていることがよくあります。ここも、「と」と書かれていましたが、発音は「とぅ」です。
なしぱ(P)だや 「ぱ」は、空気が「パッ」と出る感じでしたので、(P)と記入。
坐(びう) 謎の発音です。「びズ」に「し」が付いて「びずぃ」といった感じになるのでしょうか。あるいは「び」ではなく「う゛ぃ」かもしれません。
そ(す)びゃりん もとは「びや」とありますが、聞いたところでは「びゃ」に近いので。
つぃん ウ」の発音は聞きとれません。「V」なのでしょうか。
海(いん)りだ 「海」は「いん」と書かれていますが、「im」といった上下の唇を合わせる「ん」です。それに「下り」(uri)が付いて「いんむりだ」と聞こえます。
今日(きゅ 「きゆ」が、歌の中では「きゅ」と聞こえました。
ぱがてぃらや 工工四には「ぱがてら」と書かれていますが、実際は「ばがてぃら」でした。

 歌詞がわからなければ、歌は歌えません。工工四に書いてある文字は、必ずしも発音通りではありませんので、言葉を知らない私には、このような作業が重要になります。
 歌い慣れた人や、地元の人には当然のことが、私にとっては想像もできない発音だったりします。ここまでこだわらなくても歌は楽しめるのですが、このような「知らないことを知る」とか「発見する」ということも楽しみの一つだと思っています。

 ここから先、発音を確かめるには、宮古島の人に質問するしかありません。妻の母に会ったとき、あるいは、宮古へ旅したときに、聞いてもらって確認しなければなりません。
 そのためにも、歌詞を覚えなければ。


2003,8 
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