この歌は、息継ぎが一カ所だけ。つまり、二息(と言う言葉があるかどうかわかりませんけれど)で、歌います。自然と、前半と後半に分けて考えてしまいます。
1番ですと、
狩俣のイサミガ んうなぐずのみやらび アガソミヤヨ
言葉としては、「狩俣のイサミガ」を上の句、「んうなぐずのみやらび」を下の句と考えるべきでしょうけれど、息継ぎ=メロディーの切れ目は青と赤に色分けした境目です。つまり、歌うときには青を前半、赤を後半と考えます。
CDに合わせて歌ってみます。すると、 「狩俣の」と「みやらび」とは、ほぼ同じメロディーだということがわかります。自分で三線を弾いてみても、1番はすんなりと歌えてしまいます。
2番が問題です。(その1)で書きましたように、「坐しうんむ」の発音がよくわかりません。「んずぃんむ」と聞こえますので、そのように声を出してみます。
同じ言葉であるはずの、3番の「坐しうらば」は「びゅずぃうらば」と聞こえます。なぜ、2番の「坐し」だけが違って聞こえるのか。それを棚上げして、とにかく、CDを聞きながら、何度か歌ってみました。
CDに合わせて声を出す。CDに合わせて三線を弾いてみる。CDに合わせて三線を弾きながら歌を歌ってみる。おそらく、このような順序で進歩(?)していくと思われるでしょう。おおよそ正しいですけれど、私は時々後戻りします。CDに合わせて三線を弾きながら歌えるようになっても、また、三線を横に置いて、歌だけを歌ってみるとか、CDを聞くだけにするとか。そうしないと、間違いに気づかず、思いこみで歌ってしまうことがあるからです。ときどき後戻りすることで、最初には気づかなかったところに気づくというのはよくある話で、今回もそうでした。
しばらく歌っていると、すんなり歌えていたはずの1番がどうもおかしい。すんなり歌えていたはず。というのは、すんなり歌っていたつもりになっていただけであって、CDと合っていないことに気づかなかったのです。
もう一度CDを聞いて確かめてみます。すると、「みやらび」の部分がCDと合っていないことに気づきました。
CD |
前半 |
かズまーたーぬー |
後半 |
○みやーらーびー |
私の |
前半 |
かズまーたーぬー |
後半 |
みーやーらーびー |
同じメロディーだと思っていた、「狩俣の」と「みやらび」とは歌い出しの部分が違っていたのです。
こんなにわかりやすいことに気づかないまま練習していたのです。同じだと思いこんでしまうと、違いを見つける気持ちがなくなっていますから、違いに気づかないのですね。
「それくらいの違いは、歌い方の違いってことで、目をつぶってもいいでしょうに」
私の心の中で、だれかが呟いたのですが、まあ、気づいた部分は訂正すべきです。そして、そのおかげで一つの疑問が解決しました。
この「○」の部分に気づいたおかげで、2番の問題点「坐しうんむ」が「んじゅうむ」と聞こえた理由がわかりました。つまり、「○びゅずぃうんむ」というような発音なのです(たぶん)。声を出していない「○」の部分を一生懸命聞こうとしていたので、「んじゅうむ」などという妙な言葉をつくりだしてしまっていたようです。
この「○」に注意してみると、CDに気持ちよく合わせられるようになってきました。
でも、まだ発音の問題は残っています。工工四に書かれている歌詞とCDの発音とをきっちり比べていかなければなりません。
2003,8
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