○調弦をする
  1. チューナーとは
  2. 本調子の音 
  3. チューナーで調弦

チューナーとは

チューナーは、音を聞かせると「その音が、どの高さなのかを表示してくれる機械」です。慣れた人はチューナーを使わずに調弦してしまいますが、簡単で確実な道具ですので、チューナーを使って正しい音に合わせ、その音を覚えて、将来はチューナーなしで合わせられるようになってください。

チューナーにも種類がありますが、「ギターチューナー」ではなくて「クロマティックチューナー」を用意しましょう。

 チューナーは、音の高さを「ドレミ」ではなくて「CDEFGABC」で表示します。最初の「C」と後の「C」では一オクターブちがいます。この違いを数字で表してくれるチューナーとそうでないチューナーがあります。

 右の図を見てわかりますように、「数字なし」では、「C」の表示だけですので、高い方の「ド」なのか、低い方の「ド」なのか、わかりません。「数字あり」なら「4C」は高い方、「3C」は低い方だとわかるわけです。「数字も表示してくれるもの」の方が安心なのですが、なかなか見つからないようです。

 数字のないものでも、慣れれば問題ありません。文中で音の説明をする場合は、数字をつけて説明します。


 邦楽のお三味線専用のチューナーも販売されています。クロマティックチューナーとしても使用できますし、本数(キー)と調子を決定すると、三本の弦それぞれの基準音を鳴らしてくれる点や、本調子の一弦(男弦)がCのとき中弦や女弦の高さが何になるかということが記憶されている点で便利ですが、入力された音のオクターブの違いを判別してくれません。つまり「3C」も「4C」も同じ音として認識してしまいます。

 写真は、邦楽の三味線用チューナー。ボタンを押し、キー(本数)と調弦(本調子、二上りなど)を指定することで、3本の弦それぞれの高さを確認することができる。
 邦楽の三味線も沖縄の三線も「本調子」「二上り(二揚げ)」「三下り(三下げ)」の調弦は同じ。
 一の糸=男弦 二の糸=中弦 三の糸=女弦 と考えれば問題なく使用できる。ただし、このチューナーはオクターブの違いを数字で表示してくれるタイプではない。


三味線用チューナーも便利ですが、クロマティックチューナーとこのページの必要な部分をコピーしたものを一緒にもっておくことで十分対応できます。

 チューナーが普及するまでは、調子笛を使う人が多かったようです。基準になる音をだしてくれるハーモニカのような構造になっています。三線の音の高さを判別して表示してくれる機能はありません。


ポイント→ 大きな楽器店なら、チューナーの種類も多い。







本調子の音

 チューナーの仕組みがわかったら、後は、どの弦をどの音に合わせるかがわかればよろしい。

 三線の調子(調弦の種類)には、「本調子」「二揚げ」などの種類がありますが、ここでは調弦の基本になる「本調子」に合わせてみます。その他の調子については、別項をご覧ください。

 図を見ます。赤い文字で書かれた(男)(中)(女)が本調子です。チューナーの「3C3F4C」に合わせれば良いのです。ところが、青い文字2A♯3D♯3A♯」も本調子です。「本調子が2つもあるの?」と混乱しそうですね。

音の高さを階段に見立てましょう。赤を見ると、「男〜中」の距離が五段分。「中〜女」は七段分です。青はどうでしょう。やはり「男〜中」が五段分。「中〜女」は七段分。つまり、音の高さの差が同じであれば、どこへ平行移動しても本調子は本調子というわけです。

三線は、自分の声の高さに合わせて、調弦を変えることができます。もし、「赤い方」では高すぎて声が出ないのならば、青い方でもよろしい。その中間でもいい。一人で演奏して歌う限りにおいては、自由にできるのです。

とりあえず、ここでは図の「赤い方」で合わせてみます。男弦が「3C」中弦が「3F」女弦が「4C」です。

 図には、5つの高さの調弦を示してありますが、これよりもっと高くも、もっと低くもできます。ですが、おおよそこのあたりを基準に考えておけばよいでしょう。(別項「いろいろな調子」も参考に)

ポイント→ 本調子が基本。








チューナーで調弦

(準備)

  • マイクとチューナーを接続する。
  • マイクを三線に繋ぐ。【写真】
  • チューナーにはMODE(モード)切り替えボタンがあるでしょう。「AUTO(オート)モード」で良いはずです。


(調弦)

では、女弦を「4C」に合わせます。

@女弦の音を鳴らし,表示を見る。

「3G」と表示されたとします。

A「3G」は、目的の「4C」よりも低いので(前ページ参照)、音を上げて「4C」が表示されるようにする。

→音を上げる=弦をひっぱるように(巻き取るような方向に)糸巻きを回す

→音を下げる=弦をゆるめるように糸巻きを回す

B針を中央に合わせる。

表示が、「4C」になったら、今度は針を見ます。左に倒れていたら、もう少しだけ音を上げる。右に倒れていたら少しだけ音を下げる。そうやって、微調整をして、「4C」で針が真ん中を指すようにしましょう。

☆同じ手順で、中弦は「3F」に。男弦は「3C」に合わせます。

ポイント→ 左手で糸巻きの操作、右手で弦を弾く。という連携がうまくいくと、調弦もやりやすい。三線の操作に早く慣れたい。