○準備
  1. 三線各部の名前
  2. ウマを立てる
  3. 糸巻きの扱い方

三線各部の名前


これから先、説明に必要な各部の名前です。

  • 天=棹の上の方を指します。
  • 糸巻き=三本あります。どれがどの弦かを覚えてください。忘れたら見ればいいです。「カラクイ」あるいは「ムディ」と呼ぶ人もいます。
  • 弦=構えたとき、上から、男弦(うーぢる)、中弦(なかぢる)、女弦(みーぢる)。太さが違いますので、取り換えるときには注意してください。
  • 棹=方言では「そー」と呼びますが、「さお」で問題ありません。
  • 胴=方言で「ちーが」ですが、そのまま「どう」でもいいです。「タイコ(太鼓)」と呼ぶ人もいます。
  • 手皮=方言で「てぃーがー」。胴をぐるりと巻いているきれいな布です。これは「てがわ」では通じないでしょう。「てぃーがー」と呼ぶか、「胴に巻く布」とかなんとか表現してください。
  • ウマ=竹製の小さな部品です。プラスチックもあります。
  • 歌口=糸巻きのすぐ下の白い部品です。
  • 尾=棹の下端です。
  • 糸掛け=棹の下端で尾と弦をつないでいます。



 人によって、方言で呼んだり共通語的に呼んだり、呼び方もいろいろです。
 細部にわたって名前が付けられていますが、演奏には必要ないでしょう。







ウマを立てる

写真を参考にして、ウマを立てます。

(1)ウマの向き

普通は、ツルツルの面を糸巻きの方に、筋の目立つ方は尾の方に向けます。図のように、尾の方にやや傾いたような形です。逆に立てると、倒れやすくなることがあります。
 ウマの表

ウマの裏 

(希に、傾きが逆のウマもあります。その場合は、ツルツルが尾の方に向きます=傾きを優先します)

(2)立てる場所

ウマは、歌口から60センチメートルの所に立てましょう。毎回ウマを立てるために長さを測るのは面倒ですから、弦か皮に鉛筆で印を付けておけばよいでしょう。

皮は、指で押したくらいでは破れません。怖がらずにウマを立てましょう。

(3)立て方

@ウマの前後を確かめる

A棹と胴の接続部あたりに指を入れて、弦を持ち上げる。

Bその手を、ウマを立てる位置まで寄せて、ウマが入るくらい弦を持ち上げる。

Cウマを立て、位置を決める
D弦をウマの上に乗せる。(弦を持つ指が痛いですけど、我慢です)

E三本の弦を、ウマの溝に合わせる。

Fウマの位置を微調整する(少しくらい皮の上を擦っても大丈夫です)

ポイント→ 皮が破れることはめったにないが、ウマは案外壊れやすい。

ウマの前後を確かめて 棹と胴の境目に指を入れる
弦を持ち上げて、指をずらす 左手で胴をささえておく
ウマを立てる位置まできたら 弦をぐいっと持ち上げ
ウマを入れて、 位置を調整
弦をウマの溝に入れて ウマの位置を微調整して完了








糸巻きの扱い方
 巻いて、止める。留めるという言葉の方がいいかもしれません。このやりかたが悪いと、糸巻きがとまらず、音がずれて調弦できません。

@女弦
女弦の糸巻きを動かすときには、写真のように親指を棹のどこかにひっかけ、小指で糸巻きの頭部を押すようにします。こうすることによって、糸巻きを棹に押し込む方向へ力をかけやすくなります。あまり強く押し込むと、糸巻きが動かなくなってしまいます。折ってしまうこともあります。子どもでも片手で操作できるものですので、両手を使って押し込む必要はないはずです。コツとしては、「回して音を合わせ→押し込んでとめる」のではなくて「回して音を近づけ→音が合う少し手前から回しつつ押し込んでとめる」という感じでしょう。
 親指は、四角い窓の所にひっかけるか、中弦の糸巻き側にひっかけるか、どちらでも問題ないと思います。が、他の糸巻きを動かしてしまわないように注意しましょう。


A男弦

 男弦の場合も、女弦と同様です。親指を棹にかけることと、小指で糸巻きの頭を押さえることです。

 この場合、女弦の糸巻きにこぶしが当たりそうになりますので、写真のように少し手首を引いた形になるでしょう。手の大きさや三線の形にもよりますね。

B中弦
 中弦の場合は、上から下へ向かって力をかけなければなりません。ですから、親指で糸巻きの頭部を押さえ、小指を棹にかけて支えとします。小指ですとあまり力が入らない、あるいは小指が痛いという場合は、棹を膝に当てて糸巻きを押し込む方法もあります。この方法は格好がよくないという人もいますし、立って演奏するときには使えないです。状況に応じてどうぞ。

 しっかり留まるように押し込むというのは基本です。が、力を入れすぎて糸巻きを折ったり棹を痛めたりしないというのは、注意書きが無くても当然考えるべきことです。もし糸巻きが動かなくなったら、逆に回しながら引き抜く方向に力を入れてみてください。

 以上のことに注意してもうまくいかない場合は、糸巻きの不具合があるかも知れません。別項を参照してください。

ポイント→ とにかく慣れること。力加減を覚えること。(糸巻きを折ってしまう人もいる)