作ったり、壊したり?するのもおもしろい。でも、自己責任でお願いします。 | |
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三板作りは硬い | |||||||||||||||||||||||||||||||||
硬いのか堅いのか、迷ったのですけれど、私の気持ちは硬いです。
3つの板すべてに穴をあけるのですから、重ねてあけてしまおうと思ったのですが、そうするとドリルと板の摩擦が大きくなりすぎるようです。 まず、1枚に穴をあけたら、それをもう1枚の上に重ねて、ドリルを穴に通して、下の板に印を付ける意味で少しだけ穴をあけ、上の1枚をどけてから先ほどの印の場所に穴をあけるというのがよいと思います。 ここまでできれば、あとは形を整えます。 ヤスリがけするわけですが、このときにどのような形にするか(本来は、最初に形を決めているべきですが)をもう一度確認しておきましょう。
買ってきた三板は全体に丸みをもたせてあります。これを真似て、形を作っていきましょう。それにしても、この厚さの板をあそこまで削るのは時間がかかりそうです。 金属製のヤスリや土台付きの紙ヤスリ、そして、作業台を用意して削ります。
気がついたこと
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ちょいと置きたい | ||||||||
三線を使わないときに置く場所。これは、三線を持っている人ならどこかの場所に、何かの方法を考えて置いていますよね。 では、家で三線を使っていて、ちょっとその場を離れるという場合、どうしていますか? 元通り、ケースの中?三線立てに立てかける?三線掛けを作ってあるから、壁によいしょ? 本当ですか?本当にそうなら、それはよいことです。ケースの中も三線立ても壁も、誤って三線を壊すような場所ではありませんから。 もう一度考えてください。昨日三線を弾いているとき、電話がかかってきましたよね。そのとき、ちゃんとケースにしまいました? 「いや・・・あの、そのときは・・・ほら、電話だから、相手を待たせちゃいけないでしょ。だから、座っていた座布団の上にちょいと置いて、電話へ・・・」 ね、そういうことがあるでしょう。 三線を演奏しているときに「ちょいと置きたい」のに置く場所がない。そんな「困った」に、これです。私の自信作、「ちょい置き」
コルクで作ったことによって、滑りにくいし安定感があります。また柔らかい材質なので、三線を傷つけることもありません。三線を使わないときには、グラス用のコースターにもなります! 実は、この「ちょいと置くための道具」のアイデアは私のものではありません。三味線店で見たことがあったのです。そのとき見たのは、木製で三線を乗せる部分がもっと深く、腕のように突き出ている頑丈なものでした。それを見たときは、正直なところ「こんなもの必要なのかなあ」と心の中でつぶやいたのです。 ところが、最近必要だと感じるようになりました。 ときどき私の家に三線を持ってくる人がいます。その人たちが、ご自分の三線を床に置いたり、壁に立てかけるのを見て冷や冷やすることがあるのです。いままでに三線を壊したことがないから置き場所に無頓着なのでしょう。私は思いました。そうだ、この人たちのためにも作ろう!と決心して、5分で作りました。 もう大丈夫です。この「ちょい置き」さえあれば、途中でトイレに立とうと、ケースの中の工工四を取ろうと、鼻をかもうと、ベルトを緩めようと、いつでも三線を立てかけられます。 でも、作ってからはまだだれも来ません。早く来ないかなー。 そして、来た人から「こんなもの必要なのかなあ」って、思われるんでしょうね。 |
山羊のバチに会いたい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
文字にするというのは、いろいろ難しいものでして。 今回は、山羊角のバチのお話です。「山羊の角」と書くのが正しいのでしょうけれど、文章にしてみたときに「山羊の角の・・・」と書きますと「の」が多くて見づらくなります。そこで「山羊角」と書かせていただきます。「やぎづの」「やぎのつの」「やぎかく」「ふぃーじゃーちぬ」・・・何と読んでいただいてもけっこうです。 |
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返事を出しました。
学生の頃、部室にはバチを入れた缶がありました。個人のものもそうでないものも、ばらばらとカンの中にバチが放り込まれていました。私は、自分の三線ケースに自分のバチを入れてあったのですが、部室で三線を弾くときは、必ずしも自分の三線とはかぎらないわけでして、そんなときにはカンの中のバチを適当に見繕って使うのです。その中の一つに、山羊角だったのだろうと思われるものがありました。ものすごく軽くて、指を入れる部分が広かったと記憶しています。他のバチはたいてい指が窮屈で、バチを外から掴むようにして使っていましたが、この山羊角のバチだけは、指を入れて落ちつく形。いえ、指を入れないでは使えない形状でした。 9月8日 9月に入って、三味線店に立ち寄る機会がありましたので、そこで話を聞いてみました。帰宅してから、知人にはこのように報告しました。
前回のメールと同じようなことしか書けませんでした。反省しました。話をただ聞くだけではわかりません。そもそも、私は山羊角そのものを持っていない。山羊は見たことがありますけれど、角の形状なんて気にしたこともありません。まず、山羊角を入手することを考えるべきなのです。 インターネットで「山羊 角 販売」をキーワードに検索をかけます。たくさんヒットしました。あちらこちらで販売しているようです。ただ、ちょっと妙なのは「破れた巻物」だの「魔法書」だの、わけのわからないものも一緒に売られています。危うく購入するところでしたが、これはゲームの世界のアイテムでした。 調べを続けますと、奄美大島の方に「山羊角」を販売しているところがありました。3本セットで3000円。電話して、在庫を確認。購入します。
10月16日 沖縄へ一泊二日の旅行。この日、三味線店で、山羊角のバチの話を聞くことができました。ここまででわかったことをまとめておきます。
石像を彫るように、一つの塊(かたまり)から削りだしてバチの形を作り上げるのは、水牛角や象牙の場合です。山羊角は、まず円筒形があって、その一部分を切り落とすことでバチになるのです。これでずいぶん想像しやすくなりました。 10月20日 いよいよ、製作です。
お湯に入れた山羊角は、何度か整形器をおしこむことによって、思ったよりも簡単に整形できました。冷やすと元の硬さになるのが不思議です。 いびつな形のものを暖めて柔らかくし、整形器を入れて形を整え、冷やすとその形に固定される。確かにその通りですが、冷やした後、わずかに元の形に戻るようです。弾力があるからでしょうか。 先へ行くほど細くなっていることと、肉厚が均等ではないことが、きれいな指穴の形を作りにくくしています。肉厚が均等になるように、削ると良いかもしれません。 今回使用した山羊角は、比較的肉の薄いものでした。もう少し厚いもので作ると良いかもしれないと思っています。整形は難しくなるでしょうけれど。 |
塩ビのバチも見てみたい | |||||||||||
「山羊角のバチがなくなったのは、水道管が手に入るようになったからさ。ハハハ」 山羊角でバチを作ろうと思って、三味線店で話を聞いているときに聞いた言葉です。これを聞いて思い出しました。水道管=塩ビ管のバチを使ったことが、昔あった・・・と思います。 山羊角のバチも塩ビ管のバチも、筒状のものの一部分を切り取って作ります。山羊角のバチを作ろうと計画をしていましたが、まず塩ビ管で練習してから山羊角で本番がよさそうです。塩ビ管の方が安いでしょうし簡単に入手できるはずですから。 なのに、せっかちな私は山羊角で作ってしまいました。結局、塩ビ管は買わずに時が過ぎていきます。 ある日、岐阜県にお住まいの知人から「塩ビ管で作りました」というメールが届きました。山羊角のバチの話題を提供してくださったのもこの方でして、メールのやりとりをする中で、塩ビのバチにも話が及んだのです。私と違ってまめな方です。まず塩ビのバチを作り上げたというわけです。 実はこの方には、ハードケースを改造した記事にも登場していただいているのです。あのケースも見事な改造でしたので、今回の塩ビのバチも期待できそうです。ちょうど10月末にお仕事で関西方面へいらっしゃるということで、そのときに見せていただくことになりました。
*BE=(B:バチ E:塩ビ) この写真は、2006年11月1日現在の作品です。 我が家へ来てくださった10月末には、01と02の二つが完成していました。 01は、私の「山羊角のバチ」の記事を読んで、あとはご自身のイメージで作られたようです。先端は、掛音のしやすさを考えたのでしょう。内側を少し削ってあります。写真ではわかりにくいですが、全体をきれいに磨き上げてあって、艶もあります。極めて完成度の高い塩ビのバチです。 「これ、売れますよ。原価はいくらです?」 「さあ、原価は10円程度でしょうか」 「200円で売って、儲けましょう」 「だめです。作るのに2時間かかりましたから」 という会話のあったことを付け加えておきます。 02は、さらに使用感を良くすることを考えられたのでしょう。先端の外側(弦の当たる部分)を少し削って、角度がつけられています。全体のフォルムは、水牛角のものに近づけてあるのでしょう。 03は、斬新なフォルムに見えるかもしれません。私が「もっと先端部が扁平だった記憶が」というお話をしましたので、作者が帰宅後に、私のイメージに近い形を作ってくださったものです。というわけで03と04は、私は使用していませんが、作者の話では、
とのことでした。 形としては、この03が私の記憶の中の「山羊角のバチ」に一番近いのですけれど、使用感はよくなかったようですね。 さて、これを沖縄の三味線店の店主に見せると、どのような反応が返ってくるのでしょう。「昔はこうだった」と懐かしがってくれるでしょうか。気になります。 最後に04が完成。今のところ、01から04の中で一番使いやすいのは04だそうです。この後、05を完成させて、いよいよ「山羊角」での製作にとりかかりますというメールの中に「05はプレゼントします」というありがたいお言葉。どんな形に仕上がっているのでしょうね。 |
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2006年11月4日 とうとう、我が家に塩ビバチがやってきました。あの作者の第五作。【BE−05】が完成したのです。
このページの最後に一つ。 作者のお子さんが、「塩ビのバチ」が並んでいるのを見てこう言ったそうです。 「これって、男子トイレみたいだね〜」 そして、 「BEって、BENKIのBEかと思った〜」 親子の絆を感じる、すばらしい会話です。 |
漆を塗りたい | |||||||||||||||
漆の塗られていない三線が好きです。 でも、塗らないままですと、心配です。こういうのを、貧乏性というのでしょうか。 三味線店から三線を受け取ったときに、 「一応、漆で拭いておいたから」 と言われました。何のことかと思いました。調べてみますと、漆塗りの技法の一つに「拭き漆」というのがあるそうです。そのことらしい。 自前で漆塗りまでやってしまう三味線店はほとんどありません。その三味線店も、普通は塗りに出しているはずなのです。なのに、私の手元にあるこの三線は、三味線店店主が「拭いて」くれたものだと言います。 さらに調べますと、漆塗りの技法の中でも「拭き漆」(「擦り漆」とも呼ぶそうです)は比較的簡単で、初心者向けなのだそうです。三味線店の店主も、「仕上げにちょっと」やってくれたということでしょうか。 我が家には、塗られていない三線があります。一つは、まったく塗らない状態で購入したもの。もう一つは、私が塗りを剥がしたものです。十分に「木の肌」を楽しみましたので、そろそろ塗ってみたいと思っていたのでした。 そこへ、さきほどの「拭き漆」の棹を手にしたわけです。この棹、なかなかよい手触りです。塗っていないように見えますが、ある程度艶があり、それでいて、木のような肌触りも残っています。保護と美観と手触り。つまり、漆で木を保護し、漆の美しさもあり、手触りも滑りすぎずに楽器として良い。私にとっては理想的な塗りだと思いました。これが自分でできるのなら、是非やってみたい。 鮒(ふな)釣りを趣味している人の中には、ウキを自作する人がいます。ウキに使う塗料が漆です。(代用品もありますが)ということは、趣味で漆を塗る人だっているはずです。インターネットで調べてみました。すると、発見したのです。「擦り漆」の方法が書かれたサイトを。そして、そのサイトには、初心者用の「拭き漆入門セット」なるものが販売されていたのです。 2005年5月某日 インターネットで「拭き漆入門セット」を注文しました。セットが届くまで、インターネットでいろいろと調べてみます。このような「入門セット」は、いくつかの店が販売しているようですね。それだけ「拭き漆」は初心者向けだということでしょう。 二日後、セットが届きました。ワクワクしながら作業の準備です。 ○セット内容 まず、届いたものを確かめます。 生漆(チューブ入り100g)、テレピン油(500t)、樹脂製のヘラ、小皿、耐水ペーパー、紙二種類、ゴム手袋、説明書 たったこれだけです。 普通の漆塗りをするためには、下地を作るための材料が必要になりますし、塗るための刷毛、磨くための砥石などが必要になるそうですが、拭き漆はこのセットだけでできてしまいます。あっけないほどです。 ○棹 ここでは、棹に塗るわけですから、棹を用意します。私は二本の棹に塗ってみることにしました。それぞれA、Bと呼びましょう。 Aは、もともと黒塗りされていたものです。天のあたりの塗りが剥がれてきましたので自分で全部剥がしてしまいました。その様子は「塗りをはがすのは恐ろしい」をご覧下さい。 Bは、まったく塗らないまま購入したものです。削ったままの木です。 そして、もう一つ。漆塗りに無くてはならないものがあるそうです。漆室(うるしむろ)です。 漆室とは? |
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○漆室(うるしむろ) どんな塗料でも、塗ったら乾かしますよね。 漆だってそうです。塗ったら乾くのを待ちます。「乾く」と書きますと「乾燥」を想像しますが、漆の場合は違います。 漆を乾燥させるためには、温度(20〜25度)と湿度(70〜85%)が重要だそうです。つまり、湿度が高くなければ「乾かない」のです。どうやら、漆が乾くというのは、漆の水分が空気中に出て行くのではなくて、空気中の水分を取り込んで漆が変化することらしいのです。その変化によって、硬く美しい漆の塗膜ができあがるのです。 漆を乾燥させる環境は、先ほど書いたとおりです。温度はともかく、この湿度を保つには、普通の部屋の中では無理です。そこで、「漆室」が必要になります。拭き漆は簡単な工程ではありますが、漆である以上は漆室が必要なのです。 「拭き漆」のセットには、説明書も入っています。そこには、漆室は衣装ケースなどプラスチック製の容器で代用できることが書かれていました。もともと、このセットは趣味でお皿などの小物を作った人が、仕上げに漆を塗ることを想定しているようです。ですから、衣装ケースくらいの大きさがあれば、お皿数枚は簡単に「乾燥」させることができる。 しかし、私は三線の棹に塗るわけです。衣装ケースには収まりません。漆室についてインターネットで調べてみますと、「丈夫な段ボール箱でも可能」とありました。そこで、自作することにしました。
いよいよ、漆塗りに挑戦です。 |
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○工程 拭き漆は、 漆を塗り〜拭き取り〜乾燥させる これを繰り返すだけです。塗って拭き取ってしまっては塗った意味がなさそうに思いますが、漆はとてもよく伸び、木地になじむ塗料ですので、すべてが拭き取られてしまうわけではありません。これを繰り返すと、徐々に漆の塗膜が完成されていくようです。 普通、漆を塗るときにはヘラや刷毛を使うそうですが、拭き漆の場合は紙(柔らかくて毛羽立ちにくい物)を使って塗り伸ばしても良いようです。拭き取りも紙です。これらは、セットの中に入っていましたので、特に気を使うことはありませんでした。(セットでは、塗り伸ばす紙と拭き取る紙は別の種類になっていました) 4〜5回。あるいは10回程度と書いてあるサイトもありました。同じ作業の繰り返しですから、やってみて、何回でやめるかを考えることにします。 一つ補足しておきます。塗って拭き取るという作業を繰り返すと書きましたが、一日で何度もできるわけではありません。一度塗って拭き取ったら、それを乾燥させるために一日漆室に入れます。つまり、10回繰り返したければ、十日間かかるわけです。気長にがんばります。 ※第一回 両手にゴム手袋をはめて、最初の作業です。
本当によく伸びます。生漆は遠慮気味に出したつもりでしたが、十分な量でした。 糸巻きの穴、歌口のはまっていた溝など、漆を塗りたくない部分もありますが、あとで削ることもできるので、あまり気にしないで塗り伸ばします。 全体に塗ったら、拭き取ります。紙に茶色い色がつきます。べったりとつくのではなくて、汚れがついているという程度です。 できました。あっけないくらい簡単でした。塗る時間なんて、5分程度でしょうか。でも、これでよいのでしょうか。見たところ、もとの棹とあまり変わっていないようですけれど。とにかく、漆室に入れます。 |
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○失敗 漆室は、ずいぶん工夫をして良いものができたつもりでした。湿度はほぼ期待通り。でも、温度調節は気温まかせです。5月末でしたので、家の中は20度程度でした。でも、もう少し温度を上げたい。 夜。家族全員が風呂に入ったあとで、明日の夕方までは誰も風呂を使いません。浴槽にお湯が残っていますので、浴室はほのかにあたたかい。しかも、湿度が高い。 私の漆室は、段ボール製でたいへん軽いのです。そこで、棹を二つ入れたその漆室を、浴槽のフタの上に置くことにしました。これで温度も湿度も問題なし。 でも、これがいけませんでした。翌日、気になって、棹を漆室からそっと取り出しますと・・・なんと!表面に水滴が!! あたりまえです。部屋に置いてあった漆室を、暖かくて湿度の高い浴室に移動させたのですから。寒い日に、暖かい室内に入ると、メガネが曇る。同じ原理です。 どうしたらよいものか。とにかく、布で全部拭き取ることにしました。まだ完全に乾いているわけではなかったようです。一生懸命拭き上げて、その夜、もう一度最初からやり直しました。 ○その後の作業 失敗に懲りて、その後は漆室を浴室に持ち込むようなことはしませんでした。 漆が乾燥したかどうかは、見た目と手触りでわかるようです。塗って拭き取った状態は、少しべたつくような感じがありますが、一日漆室に入れて乾燥させると、木の肌のような感触になります。 失敗した初回を一回目と数えて、二度目、三度目までは、もとの棹の色とほとんど違いが感じられなくて、「塗っている意味があるのか」と心配なりましたが、四〜五回目になりますと、見るからに「漆を塗った」という色になってきました。そして、八回目には光沢も出てきました。 私の場合、普通に販売されている漆塗りの棹のように「ツルツル」してしまうのがいやでしたので、ここで終了としました。黒光りはしていますが、触った感じは「塗りました」というほどツルツルしていません。まずますの出来映え。としておきましょう。
○反省とまとめ 拭き漆は、三線の棹にとても良い方法だと思います。 ただし、自分でやるにはいくつかの点で注意が必要です。 1,漆室を工夫する 棹は長いので、衣装ケースのようなものでは収まりません。やはり、自分で作るほかありません。 2,作業する季節を考える 漆の性質から、冬場や真夏はあまり向かないでしょう。二十四時間エアコンで調整するのでしたら可能かも知れませんが、漆の乾燥に向いた湿度と温度は、人が暮らしやすい環境とはいえませんので、エアコンで調整するのは現実的ではないと思います。 3,木地をきれいに もし、下地に凹凸があると、漆を塗っても凹凸が表面に出てしまいます。棹の場合は、そのような部分はないはずですが、気になる部分があれば、紙ヤスリなどできれいにします。 漆を塗るのですから、棹の小さなキズなんて埋まってしまうだろう。と思ったのが間違いでした。完璧な仕上がりを求めるのでしたら、たとえ髪の毛ほどの小さなキズでも、接着剤できれいに埋めてから塗るべきです。この点は、次回の課題・・・次回があれば、ですが。
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