良型アオリ乗り乗り

日中沖底でのパターンは不得手…の巻き

 某隔週刊釣り情報誌の取材に同行して同クラブの福岡敦氏と三重県古和浦の筏へ。予報はこの日だけ雨…。しかし、今回は休みの日に合わせてしまったのでしかたがない。夜半に伊勢自動車道を走る頃にはすっかり雨となり、なんとなく憂鬱な気分だ。
 現地に到着し、お世話になる鴻照丸の船長に挨拶を済ませ、程なく出港した。3分ほどで湾の中に浮かぶ小さな島に鳥居を発見。このすぐ横にあるのが天神の筏で、当日最初のポイントだ。
 雨の中荷物をおろし、すぐにエギをセット。15メートルほど先にある隣の養殖イケス際へエギを投入。まずは私の定番、アオリーQのバレンシア3.5号。今年は本当に最初から3.5号で通すくらいコロ
ッケサイズから大きめのエギに反応がよい。
 イケスの下、中層に浮いているイカを、と5カウントくらいでライ
ンを張って小さくしゃくろうとすると、その前に乗っていた!サイズ
は胴長15センチほど。さい先よし、と思っていたら、天神の島方
向へ投げた福岡氏が「うわ!」と一声。同クラスのイカが2、3杯
エギを追いかけてきたらしい。
 足下ですぐに1杯目を掛ける。「これはめちゃくちゃに釣れるの
では」という期待が重圧となったのか、その後4、5杯を追加した
ところで、イカの姿がピタッと見えなくなった。沖に遠投しても根
掛かりせず、すぐにやめてしまった。
 筏の浮きロープの向こう側へキャストし、底付近まで沈め、上
へのトゥイッチで水面まで一気にエギを浮かせたが、ウキロープ
にエギが当たる。何とかフッキングはせず、そのまま水面をトゥ
イッチで寄せてくると、胴長25センチほどもある良型のイカが追
ってきて、エギを遠巻きに見ている。
 どうもこの日はエギを遠巻きに見るイカが多く、足下で垂直にし
ゃくったり沈めたりを繰り返していると、一気にしっかり抱いてくる
パターンらしい。何度かやってみるが、コイツはなかなか抱いて
くれない。離れもしないのでしつこく繰り返していると「まだやって
るんですか」と後ろから声が掛かるほど。これを見た福岡氏も「あっエエ型や」と驚く。
 数分もこの動作を繰り返すので、一か八かエギを何とか視認できる深さまで沈めて
ピタッと止めてみた。しばらくするとスーッと寄ってきたイカがエギを抱いた。よし、と思
った瞬間、強烈に走る。し、しまった。ドラグ絞めすぎ〜!ロッドを伸されながら何とかド
ラグをゆるめ、ラインがジリジリと出ていきかけた瞬間、スッと軽くなった。何とも悔やま
れる初心的なミス。
 その後、沖底での釣りを得意とする福岡氏がエエサイズですわとやりとりしながら浮






                               かせたのは何と27、28センチはあるこの時期にしては大型のイカ。
                               着底したエギを拾って持っていった感じで、ラインがスーッと走った
                               とのこと。  それからはアタリもなく9時の見回り船で今度はニラ浜
                               の筏へ。湾内どこも水潮っぽくて、海自体は非常 にきれい。地方近
                               くに掛けられた筏だが、地方向きで10メートルほど、沖向きは17、18
                               メートルあるという。
                                私が地方向き、福岡氏が 沖向きでスタート。すぐに福岡氏が10メー
                               トルほど沖の底でヒット。けっこう良さそうな引き。と思っていたら、筏の
                               真下まで寄せてきて真下の底で垂直にしゃくっては着底させていた私
                               のエギにもずしりと乗った。今度は良く引くもドラグを滑らせて余裕のや
                               りとり。筏下へ入り込もうとするが、ロープもなさそうなので、ゆっくり
                               と浮かせたのは胴長25センチ。福岡氏とまったく同サイズに二人とも笑顔だ。
 しかし、元々潮の走らないゆったりした釣りが不得手な私のこと。エギを多少は換えてみるものの、基本的にはまったく粘りがない。福岡氏は徐々にペースに乗り、ここ最近の不満足な釣りのストレスを解消するかのように一定のペースでヒットを続ける。サイズもすべて20センチ以上となかなか。
 結局、福岡氏は12杯、私は6杯と差が出てしまった。福岡氏の「いやあ、かなりストレス解消しました」の声に今回は納得の納竿としよう。午後2時に降り続く雨の中、陸へ上がった。
 結局、朝イチ以外はまったくイカは浮いてこず、底一辺倒での釣りとなった。おそらくは台風からくる水潮の影響だと思うが、これからのシーズン、日中に釣るなら水潮でなくてもこんなパターンが多くなる。何とか慣れないと…。
今回の問い合わせは鴻照丸渡船(TEL0596・78・0541)。

 
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久々の笑顔。福岡氏